2026年7月04日
■多汗症とは?
多汗症とは、体の体温調整や緊張などによる精神的負担とは無関係に、日常生活に支障を来すほど沢山の汗が出る状態のことをいいます。
汗の出る部位は頭部、顔、掌(手のひら)、腋窩(わき)足底など様々で、大人だけでなく子供にも起こり、日本人の10人に1人が罹患していると言われています。
■種類
多汗症は大きく2つに分類されます。
1.原因による分類
●原発性多汗症
明らかな原因となる疾患がなく、遺伝的な要因や自立神経の過敏性が関与していると考えられており、多汗症患者さんの約90%を占めます。
●続発性多汗症
甲状腺機能亢進症や糖尿病などの内分泌疾患や薬の副作用など、明確な原因があって生じる多汗症です。
この場合は原因となる疾患の治療が優先されます。
2.部位による分類
●全身性多汗症・・・全身から多くの汗が出る。
●局所性多汗症・・・掌や脇、顔・頭部、足底など体の特定の部位で多くの汗が出る。
局所多汗症の多くは10代頃に症状が現れ始めます。
· 着用する衣類の色や素材が限定されてしまう
· 夏場に薄着になれない
· 常にタオルを持ち歩いている
· 夏もサンダルが履けない
· 靴下の交換が必要
· 人と会うのが苦手
· 紙が汗でにじんでしまう
· スマートフォンやPCの操作、スポーツや楽器などが制限されてしまう
といった様々な悩みを抱えている方が多いです。
■治療法
1.塗り薬
●抗コリン外用薬
腋窩・手掌多汗症が対象で、発汗を促す物質を抑えます。
腋窩はゲル・シートタイプ、手掌はローションタイプがあります。



●塩化アルミニウム外用薬
皮膚表面にある汗の出口を塞ぎ汗を抑えます。
スティック、クリーム、パウダータイプがあります。
2.注射薬(ボツリヌス注射)
汗を出す神経の伝達をブロックする注射で腋窩多汗症に行います。
手術と比較して低侵襲な治療です。効果は一時的なので継続的に治療を受ける必要があります。
3.抗コリン経口薬
全身の汗や緊張からくる汗を抑えるお薬を服用します。
4.イオントフォレーシス
水溶液に患部を浸し、微弱な電流を流すことで、汗腺の活動を一時的に抑制する治療法。すべての医療機関で行える治療ではないので事前の確認が必要です。
5.手術
発汗に関わる交換神経を遮断する手術で、主に手掌多汗症が対象です。重症の多汗症で上記治療が難しい場合に行われますが、術後の合併症として治療した部位とは異なる部位(胸部・背部・腹部など)から発汗が出現する代償性多汗症を生じることがあります。腋窩多汗症に対しては汗腺除去手術が行われます。
このように様々な治療法がありますが、患者さんの発症部位や重症度、治療への期待、生活スタイルなどを考慮し選択する必要があります。
「体質だから仕方ない」「何科に相談したらいいのか分からない」「どのような治療法があるのか知りたい」など、お悩みの方はぜひ一度当院に相談にいらして下さい。