
皮膚科の疾患
皮膚科の疾患
かゆみのある湿疹がくり返し出る、慢性的な皮膚の病気です。肌が乾燥してバリア機能が弱くなっているため、ちょっとした刺激でも炎症が起きやすく、かゆくてかいてしまうことで悪化します。この「かゆい → かく → さらに悪くなる」という悪循環が特徴です。
また、もともとアレルギーを起こしやすい体質(遺伝的な傾向)を持っていることが多く、家族にアトピーやアレルギー性鼻炎、喘息などの人がいることがあります。治療の3本柱はスキンケア、薬による治療、悪化要因の除去です。スキンケアの説明はもちろんのこと、当院では生物学的製剤やJAK阻害薬などの先進的な治療も行っています。今まで治療がうまくいかなかった方もぜひご相談ください。
※アトピー性皮膚炎について、さらに詳しく知りたい方はこちら
皮膚が赤く盛り上がり、その上に白いフケのようなもの(鱗屑:りんせつ)が付着して、ぽろぽろと剥がれ落ちる慢性の病気です。乾癬(かんせん)といいますが、人にうつる病気ではありません。約90%が皮膚症状のみの尋常性乾癬であり、刺激を受けやすい部位(頭皮、ひじ、ひざ、おしりなど)に多くみられます。ほかに発熱や関節痛などを伴うタイプもあり、早期に治療が必要となる場合があります。治療は塗り薬、飲み薬のほかに光線療法や注射薬もあります。当院でも注射薬の一部を取り扱っていますので、症状に応じた治療を行います。
皮脂の過剰な分泌と毛穴の詰まりにより、毛穴の中に皮脂がたまることから始まります。そこでアクネ菌が増殖して炎症が起き、赤いブツブツや膿がたまったにきびへと進行します。強い炎症が起こるとケロイドや瘢痕(はんこん)を残すことがあるため、炎症が起こる前、つまり毛穴の詰まりの段階から治療を開始することをおすすめします。
また、生活習慣や洗顔方法、化粧品の種類などを見直すだけでも症状がよくなることもあります。
当院では、にきびの種類と重症度を判断し、さらにスキンケアや生活上の注意点を説明することで重症化を防ぐことを心掛けています。保険診療で改善が得られない方は自費診療を組み合わせることもできますので、ご相談ください。
頭髪や体毛が突然円形または楕円形に抜け落ちる自己免疫疾患です。免疫システムが誤って毛根を攻撃することで発症すると考えられています。ストレスや遺伝的要因が関与することもありますが、明確な原因はわかっていません。主に頭皮に生じますが、重症の場合は全身の毛が抜けることもあります。治療にはステロイド外用薬、局所免疫療法、内服薬などが用いられますが、自然に回復する例もあります。早期の診断と適切な治療が重要です。
皮膚に突然、赤くてかゆい「みみず腫れ」や「ぶつぶつ」ができ、数時間から1日以内に跡形もなく自然に消えるという特徴があります。大抵はかゆみを伴いますが、チクチク感や焼けるような感じを自覚することもあります。発症して6週間以内に治るものを「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。治療は、まず原因や悪化因子を探して、それらを取り除く、または避けるようにすることです。ただし慢性じんましんの場合は原因がわからないことが多く、治るまでに数年を要することもあります。治療は抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬が中心です。
日常生活に支障がでるほど汗が多く出る状態のことです。書類が汗でぬれたり、人と手をつなぐことに抵抗があったり、色付きの服が着られない、人が近いと気になってしまったりと、実は多くの方が悩んでおられます。
ここ数年で保険適応の薬が登場しており、治療可能な疾患です。一人で悩みを抱え込まず、まずはご相談ください。
足の変形や歩き方、靴が合わない等で皮膚の一部分に負荷がかかると角質が厚く、硬くなります。たこの多くは痛みがないのですが、うおのめは中心部に芯があるため、歩行などで圧迫されると痛みが生じます。治療は厚くなった角質を削ることですが、原因を取り除かないと再発する可能性があります。当院のフットケア外来では靴のアドバイスや歩き方の見直しなどを行っています。足は第2の心臓といわれる、重要な部分です。日頃からよく観察してみてください。
過去にかかった水痘のウイルスが加齢や過労などによって再び活動し始めることで起こります。左右どちらかの神経に沿って、ピリピリと刺すような痛みと帯状に赤い斑点と水ぶくれがみられます。早期に治療を開始することで症状が軽くなり、合併症(とくに神経痛)を防ぐことができます。
「帯状疱疹後神経痛」といって、発疹が治ったあとも長く痛みが続くことがあるため、早めの治療が大切です。また、50歳以上の方には予防ワクチンがあり、当院でも接種が可能です。ぜひご相談ください。
白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が足の皮膚に寄生し、増殖することで発症します。高温多湿な環境を好むため、特に足や足のゆびの間の蒸れやすい部分で水虫が起こりやすいです。
皮膚がめくれてじゅくじゅくしたり、小さな水ぶくれやかゆみがでることもあります。治療の主体は塗り薬ですが、爪に病変がある場合は飲み薬が効果的です。
皮膚のどの層にまで熱のダメージが及んでいるかによって4つに分類され、治療方針が異なります。
やけどをした直後は、すぐに冷却することが大切です。流水で患部を15〜30分間冷やすことで、皮膚の温度を下げて損傷の進行を防ぎ、痛みも軽減されます。衣服が皮膚に張り付いている場合は無理に脱がず、そのまま冷やしてください。広範囲(腕1本分以上)のやけどや、薬品・電気によるもの、顔や気道が関係している場合は、すぐに救急車を呼び、病院で治療を受けましょう。
皮膚や皮下に「しこり」や「できもの」ができることがあります。それらがすべて危険なわけではありませんが、良性のものから悪性のものまで種類は多様で、見た目だけで判断するのは難しい場合がほとんどです。皮膚・皮下腫瘍には、ほくろ、脂漏性角化症、脂肪腫、粉瘤(アテローム)といった良性の腫瘍から、皮膚がんや悪性黒色腫(メラノーマ)などの悪性腫瘍までさまざまなものが含まれます。皮膚科ではダーモスコピーという特殊な拡大鏡で診断をしますが、なかには診断が難しいこともあり、その場合は患部を一部切除して病理組織検査を行います。
顔面に赤みやほてり、毛細血管の拡張、膿を伴う発疹などが現れる慢性の皮膚疾患です。主に中高年の女性に多く見られますが、男女問わず発症します。原因は明確ではありませんが、紫外線、温度変化、刺激物、アルコールや香辛料などが症状を悪化させることがあります。症状は顔の中央(鼻、頬、額など)に集中することが多く、にきびに似ていますが別の疾患です。治療は、外用薬や内服薬による炎症のコントロール、生活習慣の見直し、スキンケアによって行います。早期治療が悪化を防ぐ鍵となります。
単純ヘルペスウイルスに感染すると発症し、口の周りや口内に水ぶくれができる1型と、陰部やおしりなどにできる2型があります。初感染では、口の痛みや高熱など強い症状がでることもあります。治療は抗ウイルス薬を使いますが、ウイルスは神経の中に潜伏しているため、疲れやストレスで免疫力が低下すると再発することがあります。完全に治すことはできませんが、あらかじめ薬を飲んでおくことで、症状を軽くできる治療が保険で受けられます。「またででしまった」「これからでそうな気がする」とよく患者さんがおっしゃいます。大切な日にヘルペスを発症すると気分が落ち込みますよね。そんな時は当院にぜひご相談ください。
伝染性軟属腫ウイルスによる皮膚の感染症です。小さく、光沢のある半球状のぶつぶつが、子どもの体や腕、足などにできやすく、かゆみを伴うこともあります。掻いたりこすれたりすると周囲に広がり、数が増えることがあります。プールやタオル、肌の接触を通じてうつるため注意が必要です。多くの場合、免疫がつくことで自然に治りますが、必要に応じてピンセットによる除去や塗り薬で治療をします。感染拡大を防ぐには、患部を触らないことや物の共用を避けることが大切です。
夏に多い皮膚の感染症で、細菌が傷口などから入り、水ぶくれやかさぶたが広がる病気です。子どもに多く、虫刺されやあせもなど搔き壊すと、まわりに飛び火するように広がるため「とびひ」と呼ばれます。タオルや手を介してうつることがありますが、プールの水ではうつりません。治療は抗生物質を使用します。患部を清潔に保ち、掻かないように注意しましょう。症状がみられたら、早めに受診してください。
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