
首・顔の疾患
首・顔の疾患
つばを作る工場である唾液腺にできた腫瘍です。主に耳下腺や顎下腺に発生し、良性の腫瘍である場合がほとんどですが、稀に癌が発見されることもあるため注意が必要です。画像検査や細胞検査などで診断を推定しますが、診断を確定するためには手術が必要です。
身体の代謝を整えるホルモンを作る工場である甲状腺にできた腫瘍です。女性に多く、柔らかいものは良性の腫瘍であることが多いですが、硬い腫瘍は癌の可能性を考えます。小さな甲状腺腫瘍や良性の甲状腺腫瘍は当院で超音波検査での外来経過観察をしていき、大きくなった際に手術可能な病院へご紹介も可能です。
風邪のあと1~2週間後に甲状腺に痛みのあるしこりができる病気です。時間とともにしこりが移動するのも特徴です。治療は消炎鎮痛薬の内服になりますが、症状が強い場合などはステロイドによる治療も考慮しなければいけません。
頸部にはもともと大小様々なリンパ節が存在しますが、種々の原因によりリンパ節が反応性に大きくなる状態です。痛みのある場合は後述する炎症の他に、癌の転移などの可能性も考えなくてはいけません。また、膠原病や悪性リンパ腫などでもリンパ節は大きくなります。お子さんの場合は、もともとリンパの発育がよく、日頃の生活でウイルスなどにかかる機会が多いため、大人よりも大きく腫れていることがしばしばあります。超音波検査でリンパ節の性状を見ることで、異常なリンパ節の場合は精査をおすすめいたします。
前述のリンパ節の腫脹の原因として最も多い原因です。多くはウイルスや細菌などが身体の中に侵入することでリンパ節が反応し大きくなり、痛みを伴うことが多いです。原因が細菌などの場合は抗菌薬による治療に反応しますが、多くはウイルス性であることが多いため、対症療法を行いながら腫れが引くのを待ちます。時折、腫れたリンパ節の中に膿を作ることもあり、その場合は針を刺して膿を抜いたり、切開して膿を排出したりする必要があります。
つばの工場である唾液線から口に繋がる管(唾液腺管)の間に石がつまる病気です。食事のたびに顎下や頬が腫れて痛む症状が特徴的です。石が小さい場合は自然に排出されたり、小さな切開で良くなることもありますが、大きいと自然排石は期待できず、手術が必要となることもあります。唾液が唾石などで唾液腺の中にうっ滞すると唾液腺炎に発展することもあります。多くは顎下腺に起こることが多く、抗菌薬で治療します。
口の床である口腔底に存在するつばの工場である舌下腺の具合が悪く、食事の際に口腔底や顎下が腫れ上がる病気です。切開して腫れをなくしたり、腫れた部分に薬を注入して治療する方法も行われますが、再発することが多く、しっかり治すためには手術が必要です。
ムンプスウイルスに感染して耳下腺炎をおこす病気です。片側(両側)の耳の前から下側の腫れや発熱、熱感、痛みなどの症状があります。幼児~小学校低学年くらいの小児に多く見られます。文字通り感染しやすく、基本的には腫れや発熱が落ち着くまで学校などはお休みして自宅安静となります。腫れがおさまって5日がたち、元気になれば登校が可能です。
耳の骨の中を通る顔面神経に炎症が起こり、顔の片側の筋肉が動きにくくなってしまう病気です。目が閉じにくくなり、水を飲むと口の脇から漏れてしまう症状がでます。ヘルペスのウイルスや水ぼうそうのウイルスの神経への感染が原因と言われています。ヘルペスウイルスが原因の顔面神経麻痺は治療により比較的改善しやすいですが、水ぼうそうのウイルスが原因の顔面神経麻痺は治りにくく、めまいや痛みなどの後遺症が残りやすいことが知られています。いずれにせよ、ステロイドや抗ウイルス薬の内服とリハビリで治療を行いますが、発症して早期の治療が重要ですので、症状がわかったら早めの受診をおすすめします。
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