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頭頸部がん
頭頸部がんとは、頭部から首（頸部）にかけての領域に発生するがんの総称で、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺などのさまざまな部位に発生します。発生部位により症状や治療法が異なるため、それぞれのがんについて正しく理解することが大切です。頭頸部は会話や呼吸、飲食、表情などの機能に関わる重要な部位であり、日常生活に大きく影響することがあります。
日本では年間約2万人が頭頸部がんと診断されており、特に喫煙や飲酒が発症リスクとされる部位もあります。早期に発見できれば、機能を保ちながら治療できる可能性が高まりますが、初期症状が見逃されやすいため注意が必要です。
このページでは、代表的な5つの頭頸部がん（口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、唾液腺がん、甲状腺がん）について、それぞれの特徴や症状、診断・治療の流れについてわかりやすく解説します。
舌、歯ぐき、頬の内側、口蓋（上あご）など口の中にできるがんです。初期症状として治りにくい口内炎やしこり、出血が見られます。進行すると痛みや開口障害、食事の困難さなどが生じます。
のどの奥（上咽頭、中咽頭、下咽頭）にできるがんです。初期症状として、のどの違和感、飲み込みづらさ、耳の痛み、中耳炎、声のかすれなどが起こることがあります。進行すると首のリンパ節の腫れとして見つかることもあります。多くは喫煙・飲酒との関連が深いですが、一部の方はウイルス感染が契機となることもあり、注意が必要です。
声帯を含む喉頭にできるがんで、初期症状として最も多いのが声のかすれです。進行すると息苦しさや飲み込みの障害が見られるようになります。喫煙・飲酒との関連が深いがんです。
耳下腺、顎下腺、舌下腺などの唾液をつくる腺（工場）に発生します。顔や顎の腫れ、しこり、痛み、顔のまひなどが起こることがあります。良性腫瘍を長期間放置することで悪性化することもあり、「以前からしこりがあって変わらないから」といって安心はできません。
甲状腺に発生するがんで、首の前面にしこりとして触れることがあります。多くはゆっくりと進行し、無症状のまま発見されることもあります。超音波や細胞診で診断します。
頭頸部がんは初期症状が軽いため、見逃されやすいのが特徴です。しかし、以下のような症状が2週間以上続く場合は注意が必要です。
これらの症状があるからといって必ずがんというわけではありませんが、早期発見には少しの変化にも気づくことが重要です。特に喫煙や多量の飲酒歴がある方は、注意深く経過を観察しましょう。
頭頸部がんが疑われる場合、まずは問診と視診・触診を行い、異常のある部位を確認します。その後、必要に応じて以下のような検査を行います。
のどや声帯の状態を観察します。
甲状腺や頸部リンパ節の状態を確認します。
腫瘍の広がりや周囲組織への浸潤を評価します。
しこりや病変から細胞を採取し、顕微鏡で調べてがんのタイプの評価を行います。
診断が確定した後は、がんの進行度（ステージ）を評価し、最適な治療方針を決定します。当院ではNarrow Band Imaging（狭帯域光観察）が可能な内視鏡検査が可能なので頭頸部がんのスクリーニング検査が可能です。また、超音波検査による首のシコリの評価も行っております。これらの検査をした上で精密検査が必要な場合、連携する高次医療機関への紹介を行っております。
頭頸部がんの治療は、がんの種類や進行度、患者さんの全身状態・生活背景を考慮して決定されます。主な治療法には以下のものがあります。
がんを取り除く外科手術。可能な限り機能温存を目指します。
切らずにがん細胞を破壊する治療法で、早期がんに有効なこともあります。
がんの進行を抑えるために使用されます。単独または放射線との併用で行います。
最近ではロボット支援手術や分子標的治療、免疫チェックポイント阻害薬など、患者さんへの負担を抑えながら治療効果を高める方法も登場しています。
当院では、初期診断や治療方針の相談、術後フォローなどのサポートを行い、必要に応じて専門機関と連携して最適な治療へつなげます。
当院では、頭頸部領域の症状に対する初期診断・精査、がんの疑いがある場合の早期発見、適切な専門機関への紹介を行っています。以下のような対応が可能です。
また、術後の経過観察や再発チェックのためのフォローアップにも対応しております。「なんとなく気になる」「以前より違和感がある」といった場合でも、どうぞお気軽にご相談ください。
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